美波町。
ここは、徳島県南東部、太平洋に面した人口約7600人の景観にすぐれた町です。
主な産業は漁業、うみがめが上陸する浜があることでも有名です。
海女カフェ「いざり」がある伊座利(いざり)地区は、美波町の最東部にあります。
過疎化、高齢化や小学校の廃校など地域存立の危機に立たされた地区住民が団結して立ち上がり、家を用意して移住者を受け入れました。
また、県外からの児童を漁村留学生として募り、その結果、地区住民を6年間で100人から130人に増加させました。
この地域起こし活動は、地域再生事業のモデルとして全国から注目を集めています。
海女カフェ「いざり」は、「若い人が働ける場所を確保し地域おこしの拠点」にしようと、平成19年10月にオープンしました。
伊座利地区の全世帯が出資しており、代表を務める磯田百合子さんは、現役の海女さんです。
もちろん、メニューは、目の前の海から獲れた新鮮な魚介類が中心です。
食材が足りなくなったら、住民が釣りに行き、釣れた魚をカフェに届けます。
野菜も自家製で、とっても新鮮です。
評判が評判を呼び、遠く徳島から2時間かけて、来店される方も居られるそうです。
加えて海女カフェでは、地域の高齢者宅にお弁当の宅配も行っており、高齢者の安否確認の役割をも担っています。
ところで、NHK朝の連続ドラマ「あまちゃん」にも「海女カフェ」が登場します。
こちらは、岩手県久慈市が舞台ですが、「いざり」と同じく女性が活躍します。
ひょっとしたら、「いざり」がモデルなのかもしれません。
先日、「いざり」がテレビで取り上げられていました。
映像の中の海女さんたちが元気なこと、特に代表の磯田さんは、60歳の時に「いざり」を立ち上げたと語っていました。
現代の日本社会の中高年の就職事情は厳しく、意に添わない仕事に就いてストレスを抱えている人も少なくないと言われています。
徳島県の片田舎の町の、しかも陸の孤島と呼ばれる「伊座利」で海女さんたちがパワフルに、楽しそうに働く姿に触れ、パワーをいただきました。