「毎日カフェに行っています。」
少し前なら、驚きの発言かもしれませんが、昨今では珍しいことではありません。
不況と言われていた数年、なぜカフェ業界は成長できたのでしょうか?
カフェの魅力ってなんでしょうか?
不況で、節約、経費削減、ムダを省く、という生活や社会の流れに逆らって伸びてきたもの、それは「プチ贅沢」です。
それを表しているのが、プレミアムと名のついた商品のヒットです。
安い商品が売れている一方、プレミアムと呼ばれるプチ贅沢な商品も売れています。
カフェは、「食費を節約しても、コーヒーくらいは贅沢に」という人々のプチ贅沢です。
カフェでコーヒーを飲むことは、美味しいものいただくだけではありません。
雰囲気、空間をいただきます。
家で、お取り寄せスイーツと、とっておきのコーヒーを楽しむことも出来るはずなのに、カフェに通うのは、そこに非日常があるからです。
家にいると、散らかっているから片付けないと、あれもこれもしなくては、と日常が目に留まります。
そんな日常の家でもない、職場や学校でもない“くつろぎの空間”なのです。
人々は、この空間で、それぞれの時間を過ごします。
仕事をする人、勉強をする人、考え事をする人、読書をする人、ただまったり過ごす人、それぞれ時間の使い方は違いがあれど、マイペースな空間であることに間違いはありません。
カフェに行くのは、お茶やコーヒーを飲む、食事をする、という明確な目的ではなく“カフェで過ごすためにカフェに行く”のです。
それを象徴するのが、部屋カフェの存在です。
部屋カフェとは、オーナーのセンスや心遣いで彩られた、お洒落なリビングにいるようなカフェです。
落ち着いて、まったり出来て、気持ちが和む空間です。
自分の好みにピッタリの部屋カフェが見つかると、カフェ通にはたまらない喜びでしょう。
自分に合う、部屋カフェが見つからなくても、スターバックスコーヒー、タリーズコーヒーなど大手のコーヒーチェーン店は“空間”を提供することを大事にしています。
カフェに通う人が増えたのは、こういったコーヒー業界の思惑があったのです。
それと、節約に嫌気がさしていた私たちと、利が合いまった結果かもしれません。
カフェに通うのは、カフェで過ごすため、幸せな時間を自分にプレゼントするためなのです。