世界中の国々で、それぞれのコーヒーの楽しみ方があります。中でも、イタリアでは一大コーヒー文化を築いています。
イタリア人にとっては、コーヒーはなくてはならない存在なのです。
ここでコーヒーというと、日本で飲まれているようなドリップコーヒーをイメージする人も、中にはいるかもしれません。
でもこれは誤ったイメージで、イタリア人は基本的にドリップコーヒーを一切飲みません。
じゃあどんなコーヒーを飲むの?となりますが、答えは「エスプレッソ」です。
エスプレッソは、イタリアが生んだコーヒーで、イタリア人の心ともいえるものです。
エスプレッソは、豆を極細に挽き、深炒りにしたものを使います。これを蒸気圧によって一瞬で抽出して作ります。
つまり、エスプレッソというのはコーヒー豆の凝縮されたうまみを飲む飲み物ともいえます。
そのため、抽出される量は少ないです。
エスプレッソ用のカップは小ぶりなことからもわかるように、1回の量で約25cc~30ccくらいです。
小さなエスプレッソのカップに半分ほど注がれたエスプレッソに、砂糖をザーッと加えいれて軽く混ぜて、2口~3口で飲み干してしまうのがイタリア人流飲み方です。
もっとも、ここで注がれるエスプレッソの量や、コーヒー豆の焙煎レベルには地域によって多少の違いがあるようです。
熟練のバリスタの手によって淹れられたエスプレッソは、コーヒーそのもののほろ苦さとコクとクリーミーさに砂糖の甘さが加わって、フルーティーさまでもが感じられる飲み物なのです。
イタリアには、街角には必ずといっていいほどバーがあり、そこで食後や出勤前に立ち寄ってグイっと1杯のエスプレッソを飲んでいくのはイタリアで見られる典型的な光景です。
食後にも、1杯のエスプレッソは欠かせない存在です。
イタリア料理にはほとんど砂糖が含まれていないので、なおさらコーヒーには砂糖を欲してしまうようです。
現在では、日本のカフェでもエスプレッソマシーンでバリスタがエスプレッソを淹れる光景は見慣れたものになっていますね。