コーヒー専門店、お洒落な飲食店、どちらもカフェと呼んで、間違いはありません。
なぜ、日本のカフェは枝分かれしたのでしょうか?
その秘密は、日本のカフェがたどってきた、歴史にあります。
日本でコーヒーが流通してきたのは、文明開化のころです。
明治のころのカフェは、料理とお酒が主体のフランススタイルカフェでした。
料理も提供する、お酒も提供するカフェスタイルは、大正、昭和と進むと女性がサービスでお給仕する“カフェー”へと流れていきました。
一方で、大正期に“ミルクホール”というカフェが登場します。
ミルクホールは、コーヒー、ジュース、ドーナツなどの軽食を提供するスタイルでした。
大正期には一般庶民にもコーヒーがだいぶ普及していて、新聞を読みながらコーヒーが飲めるという、今のカフェの原型です。
“コーヒー専門店”のカフェが流行したのは、戦後です。
いわゆる喫茶店です。
産地別の豆にこだわったお店、サイフォンやドリップ方式など、淹れ方や焙煎にこだわった喫茶店が出没しはじめます。
意外なのですが“コーヒーだけの専門店”は日本独自のスタイルでした。
コーヒー!でお客さんの心をつかむ、豆に、淹れ方に細かくこだわる!といったものは、日本人の気質からきているのかもしれませんね。
1980年代に入ると、喫茶店は飽和状態になります。
コーヒーやドリンク提供スタイルだけでは、経営できず、明治のカフェーに似た“カフェ・バー”という料理やアルコールを提供するお店がでてきます。
1990年代に入ると、スターバックス、タリーズなどのスタンド形式のカフェが飛躍的に増えていき、日本のコーヒー需要を一気に取り戻す原動力になりました。
今のカフェブームを作ったきっかけになったことは、間違いないでしょう。
そんな歴史をたどった日本のカフェは今、コーヒー専門店、お洒落な飲食店、どちらもカフェと呼ばれて愛されていま す。
さらに、動物に癒されながらの猫カフェ、動物カフェ、オーナーの主張が反映されるコンセプトカフェなど、カフェも どんどん変わりつつ、成長しています。
もしかしたら、ミルクホールカフェなども、新しく復活するかもしれませんね。