「活字離れ」が叫ばれている昨今ですが、自宅やお気に入りのカフェなどで、ゆっくりと読書の時間を楽しんでおられる方も少なくないと思います。
読書には、知識や教養を増やしたり、興味や関心の対象を広げることにとどまらず、様々な心理的効果があることが科学的にも実証されています。その幾つかをまとめてみました。
まず、読書にはリラックス効果がありストレス解消になります。イギリスの大学による調査の結果では、音楽を聴いたりコーヒーブレイクをしたり、散歩やゲームで気分転換するよりも、読書をしているときが最も大きいストレス解消効果が現れました。
特に、集中できる環境で読書に没頭すると、ほんの6分程度で60パーセント以上のリラックス効果が現れたとのことです。本の内容や展開に集中して没頭することで、心の中に溜まっていたストレスを忘れることができるのです。
また、読書をすることで脳を活性化することができます。テレビを見たりゲームをしていたりするだけでは、脳を活性化することはできませんが、読書中の脳の働きをMRIで観察した結果、動きが活性化されて新しい神経回路が築かれたそうです。
読書に没頭しているときの脳は、話のストーリーや展開を予測したり、背景や状況を思い出しながら読み進めるため、自分がそのシーンにいて、実際に経験しているような状態になっている、ということなのです。
孤独やストレスを感じにくくなる、というプラスの効果もあります。本の世界にどっぷりと浸かることで、登場人物に感情移入したり、前述の通り自分が同じ体験をしているような感覚に浸ることができるので、日々の煩わしい出来事やなかなか解決できないトラブルなどを忘れることができ、孤独感やストレスを軽減できるのです。
さらに、コミュニケーション能力や思考力、論理力、様々な価値観を受け入れることのできる広い心を持つことができるようにもなります。読書をすることで、まさに人間力をアップさせることができるのです。ぜひ、短い時間でも良いので読書をしてみてはいかがでしょうか。