思い出のカフェ

昔はコーヒーといえば、贅沢な嗜好品だったと思います。

私も高校生までは飲んだことはなくて、就職して初給料でインスタントコーヒーを買い、姉と二人『美味しいねぇ』と話しながら飲んだことを今でも覚えています。

インスタントコーヒーで感激するなんて、子供だったと思わず笑ってしまいます。

昔ながらの珈琲ショップが姿を消していく中、今はスターバックスのような大手チェーン店が増えました。

大手チェーン店のショップは老若男女を問わず、全年齢対応で利用し易く自由で良いと思います。

それに比べると、昔のコーヒー屋さんは値段も少々高めではありますが、カウンターがあってオーナーとゆっくり語る事ができ、自分好みではあります。

そんなお店が少なくなってきたのは、少し寂しいですね。

田舎に住んでいますが、私が成人した頃に近所にお洒落な珈琲ショップがオープンし、隔週土曜日には通いました。

小遣いの関係で、毎週は行けなかったけれど月2回は私の楽しみの一つになりました。

オーナーは少し年上の美人なお姉ちゃんという感じで、コーヒーもブレンド、モカ、キリマンジャロ、ブルーマウンテンのみでした。

目玉は当時珍しかった、ランチメニューの厚切りトーストとカレーで、それを頬ばっては、ちょっぴり優越感に浸ったものでした。

そこの洋風造りの玄関ドアが私のお気に入りで、今も健在、オーナーは品のいいおばぁちゃんになられましたが、元気に旨いコーヒーを入れてくれています。

若い頃、冬の小樽に旅行して風邪でダウンしてしまい、宿の女将さんに手厚い看病を受けました。

3日後に熱も下がり、宿を出発する時に『ランプのある珈琲ショップ』を紹介されました。

雪道の街路を入っていくと、そこには外国の御伽噺に出てくる様な雰囲気に包まれたお店がありました。

迷わず『ウインナーコーヒー』を注文し、風邪で落ちた体力にエネルギーを加えるように体に染み渡りました。

カウンターの頭上には大小のランプが吊るされており、風情たっぷりで、窓の外に目をやれば雪に太陽の光が反射して幻想的な光景を作っていました。

宿の女将さんから連絡があったのか、コーヒーのおかわりを入れて下さり、北の大地での心暖かい思い出になっています。

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