今から20年程前、一緒に働いていた私の1つ上の先輩が、盆休みで帰省して「こっちに戻って脱サラで何か面白い商売をしたい」と言っていました。
そして、ある日ビジネス街にカフェをオープンさせました。
平日のランチ時間となれば、サラリーマンが競うようにカフェへ入り日替わりランチを注文します。
食事が終わればそのまま、雑誌を読んだり音楽を聴いたり、暗いベッドの置いてある部屋へ入ります。
そして自分が許せる時間帯まで寝てもられると言った世間では、ちょっと抵抗がある昼寝屋カフェを夫婦で営んでいました。
ある日、私と職場の後輩と2人でランチを食べに行ってみました。
行ってみると、お店のドアに屋号が書いてありました。
店内へ入るとお客さんは、満杯でレジ横ではパスポート「会員書」を見せるシステムで、私たちも早速作成してもらいました。
店内のカウンターに差し掛かると、コース別に分かれていています。
音楽鑑賞コース、読書コース安眠コース、もちろんコーヒー、紅茶、類は飲み放題です。
サラリーマンに取ってみたら、絶好の安らぎ場所です。
口コミでお客さんも段々多くなりまた、奥さんが作る手料理が絶品なのです。
日替わりランチで、洋食の日もあれば、和食の日もあります。
先輩夫婦のこだわりで、なるだけ1人でも多くのお客さんにランチを味わってもらいたいと、1日50食の日替わりランチを用意していると言っていました。
途中で日替わりランチの材料がなくなりかけたら、時間に余裕があれば、「奥さんか、先輩が買い出しに、行く事も少なくないと家は良心的な店だ」と誇らしげに言っていました。
私が先輩に「なぜこう言ったカフェをオープンされたのですか?」と聞きました。
それは、東京で毎日満員電車に揺られ80分掛けて通勤し、その後ずっと働きっぱなしだった時に休憩する場所が欲しかった経験からなのだそうです。
その気持ちが自分だけでなく、サラリーマンたちの気持ちをグッと掴んだのでしょう。
私も疲れが溜まり、また癒されたいと思ったら、先輩が営んでいるカフェに行ってみたいと思いました。